こんにちは。
てくてく台湾のSHIN(@tekuteku.taiwan)です。
台湾に神風特別攻撃隊の出撃地があるって聞いたけど。どこにあるの?当時の建物は今も残ってるの?
こんな疑問に答えています。
第二次世界大戦中、台湾には神風特別攻撃隊の出撃地が宜蘭、桃園、新竹にあり、日本人だけでなく、台湾人で編成された特攻隊もありました。
そんな出撃地の一つであったで宜蘭には、当時の建物や資料館があるので今回は訪れてきました。
台湾に4年住み、数多くの日本統治時代の建物を訪れた僕でも、神風特別攻撃隊の出撃地・宜蘭をじっくり巡ったのは初めてなので、新たな発見も多かったです。
神風特別攻撃隊の出撃地・台湾の宜蘭で当時の建物を巡る【体験記】
宜蘭県ってどこにあるの?
宜蘭県は台湾の北東部にあります。
温泉、夜市、サイダーが有名で、台北市からバスで1時間弱で行けるので観光客にも人気のエリアです。
» 宜蘭駅から歩いて行ける観光スポット【10選】
台北駅から宜蘭駅へのアクセス
1.鉄道
所要時間 | チケット | |
普悠瑪/太魯閣号 | 60分〜80分 | 218元 |
自強号 | 80分〜2時間 | 218元 |
区間快車 | 95〜105分 | 140元 |
区間車 | 2時間〜2時間半 | 140元 |
莒光号 | 1小時40分〜2小時20分 | 118元 |
2.バス
所要時間 | 乗車番号 | 所要時間 | チケット |
台北駅-宜蘭 | 1915/1916 | 95分〜95 | 140元 |
台北駅から高速バスで行く場合、宜蘭県の礁溪郷、宜蘭、羅東鎮の3つのエリアへ行くことが可能です。
神風特攻隊の出撃地へは、台北駅からバス(葛瑪蘭汽車客運)に乗り「宜蘭」で下車します。
神風特別攻撃隊の出撃地を巡る
1.神風特別攻撃隊の出撃地 南機場八角塔台
「南機場八角塔台」は当時、神風特別攻撃隊の飛行場(宜蘭第一飛行基地)があった場所です。
飛行場の滑走路は現在、道路になっていますが「南機場八角塔台(戦闘指揮所)」は今も残されており、太平洋戦争時には、戦闘情報の中枢機関として使用されていました。
南機場八角塔台の内部に入ることはできませんが、今でも入り口の近くまでは行けて、当時の雰囲気を感じ取ることはできます。
建物の上層部と下層部に分かれており、上層部は観測塔で、下層部は八角形の形になっており、入り口付近にはトイレがあります。
南機場八角塔台の周りは公園になっており、台湾人の観光客もちらほら見受けられました。
周りは広々とした静かで穏やかな場所で、このような場所から神風特別攻撃隊が飛び立っていたと思うと、色々考えさせられます。
名称 | 南機場八角塔台 |
住所 | 宜蘭県宜蘭市凱旋路473巷241号 |
アクセス | (タクシー) 宜蘭駅から約7分 (徒歩) 宜蘭駅から約40分 |
2.飛行場の気象データを測定 南飛行場風向帯(耐爆通信所)
南飛行場風向帯(耐爆通信所)は「南機場八角塔台」から徒歩で約10分の場所にあります。
宜蘭第一飛行基地の気象データを測定するためにつくられました。
建物は防風のため側面は赤色のタイルで覆われ、屋根は鉄筋コンクリートで作られています。
上空から軍事施設だとわからないようにするため、屋根には土を敷き詰め植物が生い茂っています。
このような工夫が施された南飛行場風向帯(耐爆通信所)があったからこそ、神風特別攻撃隊が万全の状態で飛行できていたそうです。
南飛行場風向帯(耐爆通信所)は、2005年に宜蘭県の指定の古蹟として登録されました。
現在、南飛行場風向帯(耐爆通信所)の周辺は沼地で、建物の近くに行ったり、内部に入ることはできませんが、遠くから眺めるだけでも当時の様子を伺えました。
名称 | 南飛行場風向帯(耐爆通信所) |
住所 | 宜蘭県宜蘭市建業路22-29号東北側 |
アクセス | (タクシー) 宜蘭駅から約10分 (徒歩) 宜蘭駅から約50分 南機場八角塔台から約10分 |
3.特攻機の格納庫 進士機堡
太平洋戦争時、日本軍は地上に置かれている特攻機をアメリカ軍から攻撃されない為に、格納庫に入れていました。
その時に利用されていた、特攻機の格納庫が「進士機堡」です。
屋根は弧形で、鉄筋コンクリートで作られており、屋根の上にはカムフラージュとして植物が植えられました。
現在でも屋根の上には草が生い茂っており、建物の長さは15m、正面部分は22m、高さは3m弱です。
戦後は台湾国軍が引き継いで進士機堡を使用し、今でも保存状態は良好なので宜蘭市民が利用しています。
「進士機堡」は2002年6月21日は文化資産として登録されています。
内部公開は行われていませんが、近くまで行き見学することは可能です。
名称 | 進士機堡 |
住所 | 宜蘭県宜蘭市進士路22-2号 |
アクセス | (タクシー) 宜蘭駅から約6分 (徒歩) 宜蘭駅から約30分 |
4.神風特別攻撃隊の歴史を知れる 員山機堡(神風特攻機堡)
員山機堡は神風特別攻撃隊の特攻機を格納する場所として、日本統治時代に建てられました。
現在では記念館として当時の資料などを見ることができます。
員山機堡は戦時中、格納庫として大きな役割を果たしていましたが、戦後は管理するものがおらず放置されていたため荒れ果てた時期もありました。
その後、約8年の修復工事を行い、現在はカフェを併設した記念館となっています。
施設内には当時、敵を欺くために竹製で作られた特攻機が展示されたり、神風特別攻撃隊の歴史を学ぶこともできます。
格納庫の上部からは員山機堡の全体を眺めることができたり、台湾における神風特別攻撃隊の歴史を学ぶには、員山機堡は必ず訪れたい場所の一つです。
名称 | 員山機堡(神風特攻機堡) |
住所 | 宜蘭県員山鄉金山東路398号 |
営業時間 | 9:00〜17:00(定休日:火曜日) |
アクセス | (タクシー) 宜蘭駅から約15分 (バス) ・宜蘭轉運站〜金古路 【1743】【1744】【1751】【1785】 ・宜蘭轉運站〜員山機堡 【752】 (徒歩) 宜蘭駅から約45分 |
員山機堡 |
5.日本統治時代「練兵場」 化龍一村
甲子蘭酒文物館の目の前にある「化龍一村」に特攻機の模型が吊るされた広場があります。
「化龍一村」は日本統治時代「練兵場」などとして利用され、二次大戰中は野戦病院で、現在は日本建築の建物が一部残されています。
名称 | 化龍一村眷舍群 |
住所 | 宜蘭県宜蘭市武営街71巷70号 |
アクセス | (タクシー) 宜蘭駅から約5分 (徒歩) 宜蘭から約15分 |
ホームページ | 化龍一村眷舍群 |
6.海軍に情報を伝達 舊日軍通信中心(宜蘭中山公園)
舊日軍通信中心は神風特別攻撃隊とはあまり関係ないですが、戦時中の施設が現在も残っている場所です。
1943年に太平洋戦争が緊迫する中、海軍に向けて作戦を伝達していた「舊日軍通信中心(通信施設)」。
建物はアメリカ軍から見つからないよう、公園の中にひっそりあり、現在でもしっかり探さなければわかりにくいです。
舊日軍通信中心がある中山公園内には、昔、宜蘭神社がありましたが現在は取り壊され忠烈祠が建てられています。
名称 | 舊日軍通信中心(宜蘭中山公園) |
住所 | 宜蘭県宜蘭市崇聖街2号 |
アクセス | (タクシー) 宜蘭駅から約3分ほど (徒歩) 宜蘭駅から約10分ほど |
最後に
今回は神風特別攻撃隊の出撃地、台湾・宜蘭(イーラン)についてまとめました。
まさか宜蘭が、これほど神風特別攻撃隊とか関わりの深い場所とは知りませんでしたが、日本人として貴重な経験ができました。
台湾・宜蘭(イーラン)には、この他にも日本統治時代の建物が数多く残っているので、機会あれば訪れてみて下さい。
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